【元自衛官が教える】自衛官が『依願退職』して転職する時のポイント解説【2022年版】

自衛官が依願退職する際のポイントを解説

自衛隊を依願退職しようと思っているけど、いまひとつ不安で一歩を踏み出せないと思っていませんか?

実は、しっかりとした判断基準さえあれば転職も自衛官として定年まで働くのもすぐに決められます!

なぜなら、私自身も転職を成功させていますがその裏には確かな判断基準があったからこそ、すぐに転職を決断することができました。

この記事では、自衛隊を依願退職する際の具体的な行動のポイントや仕事を変える判断基準を紹介します。

記事を読み終えると、いまいちハッキリしていなかった、転職した方が良いのか自衛官で居た方が良いのかが明確に判断できるようになります。

転職のプロに相談するのも有効ですよ!

目次

自衛官が依願退職を決断する判断基準

やりたいことが自衛隊ではできない

自衛官は公務員と言う立場から、多くの制限を受ける職業です。

機密保持上の観点から、他の公務員とは違った窮屈さを感じることもあるでしょう。

  • SNSの利用制限
  • 海外渡航のハードルの高さ
  • コロナ情勢での県外移動の制限
  • 家族に対しても守秘義務の発生する任務

このような制限がある中で、あなたが仕事を通して自己実現したいことが必ず達成できるとは限りません。

自分の人生で成し遂げたいことが自衛隊では達成できないと思った時が、転職を考えるきっかけになるでしょう。

自衛隊の環境に馴染めない

自衛隊には各駐屯地のローカルルールや部隊毎の特色があります。

その中でどうしても自衛隊特有の環境に馴染めない時もあるかもしれません。

  • 23時消灯
  • 外出許可証がなければコンビニにも行けない
  • 警衛や当直などの勤務
  • 数か月単位の入校(出張)
  • 数週間単位の演習

実際に家族との時間を取れないから、と言う理由で退職をした方もいます。

上記の環境が全て悪いと言うわけではなく、あくまでも自分のライフスタイルに似合っているのかを冷静に考える必要があります!

その上で合っていないと感じた時に転職を考えましょう。

依願退職をした自衛官が仕事を探す方法

方法オススメ度メリットデメリット
援護室・自衛官に来てほしい企業が多い
・自衛官の採用実績がある
・運送、土木系と業種が偏っている
・依願退職だと心理的に使用がしづらい
ハローワーク・求人数が多い・求人の質は悪い
・フォロー体制が無い
知人・親戚・採用が決まりやすい・条件交渉がしにくい
・親、友達が上司になると付き合いに影響がでる。
求人サイト・全国区で仕事を探せる
・マイペースで仕事を探せ る
・良い求人を判断するのが難しい
就職支援団体・費用無料・求人範囲が狭い
・その他サービスよりレベルが低い
転職エージェント・費用無料
・個別の相談に応じてくれる
・通信環境が必要(電話、ZOOMなど)

詳しくは⇩の記事を参考にしてみてください!

依願退職をした自衛官の履歴書の書き方

履歴書はパソコンで作成しても大丈夫

一昔前は履歴書は心のこもった手書きでなければならないと言われることが多くありました。

現代では手書きであることと、パソコン作成の履歴書であることに差はありません。

IT系の企業を例にすると、むしろフォーマットを正しく使えること方が印象が良くなることもあります。

部隊名は中隊名まで書こう

履歴書を書く時に悩むのが、自分の働いている場所の記入です。

目安として中隊名まで記入するように決めておくと混乱せずにすみます。

依願退職をした自衛官の職務経歴書の書き方

普段の業務について

陸曹だと恒常業務には補職の内容も入ります。

  • 戦技訓練
  • 体力錬成
  • 補職業務

自衛隊の仕事は説明が難しいものが多いですが、補職に関しては民間の方に対しても説明がしやすい業務内容です。

例)人事・労務:〇〇年〇月~〇〇年〇月
 主な業務内容
・人事評価業務
・異動人事業務
・会計給与業務

  中隊の人事担当として常に正確丁寧な業務を念頭に置き業務を遂行してまいりました。 期日の明確に定められている業務に対して、作業工程の具体化を行い関係部署との連携を進めるなどして、業務の効率化に努めることで部隊内で表彰をされた経験もございます。

第5級賞詞などを業務改善で授与している場合などは、積極的に文章に盛り込んで良いでしょう。

演習について

詳しい演習名や日付は省略しましょう。

特に海外訓練を行った経験は機密保持上の問題もあるので記載しない方が安全です。

ここでは、忍耐力や責任感などの言葉を使って一般的なスキルや能力をアピールしましょう。

災害派遣等について

派遣された災害の名前、実際に従事した活動について明記して大丈夫です。

実際に公に災害派遣の命令として動いており、行政の要望に従った結果ですので問題ありません。

被災地での活動内容は事細かに描写する必要はありませんが、その活動を通してどんな思いで任務を遂行していたのかそこから感じえたことをアピールしましょう。

退職までの流れ

退職に関する根拠・法令・規則

依願退職には時間がかかります。

その理由は自衛隊法や部隊運営の実状があります。

第四十条 第三十一条第一項の規定により隊員の退職について権限を有する者は、隊員が退職することを申し出た場合において、これを承認することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認めるときは、その退職について政令で定める特別の事由がある場合を除いては、任用期間を定めて任用されている陸士長等、海士長等又は空士長等にあつてはその任用期間内において必要な期間、その他の隊員にあつては自衛隊の任務を遂行するため最少限度必要とされる期間その退職を承認しないことができる。

自衛隊法より引用

自衛隊を辞めた後のことを考える

生活水準の考え直し

多くの場合、自衛官から民間への転職の場合は年収が下がる傾向があります。

大きな理由は2つ

  • 公務員なので民間の平均給与額が貰えている
  • ほとんどが未経験業種への転職となってしまうため

これらの理由から、特に号俸が上がっている中堅陸曹や上級陸曹に関して言えば民間との差はかなり広がっています。

家計単位での生活費を見直さなければ、思わぬところで苦しい思いをすることになります。

仕事を通じて自己実現したいこと

自衛官からの転職に限らず、新しい仕事をするに当たって大事なことはその仕事は何のためにしたいか、です。

  • 家族のために1円でも多く稼ぐ
  • 休日を増やし残業を減らし、家庭の時間を大事にする
  • 自己実現のためのキャリアアップ

何が大事なのか人によって当然違います。

自分にとって何が大事で、どうやってそれを成し遂げることができるのかを具体的に理解しましょう!

部隊長面談で依願退職を認めてもらう

退職理由を具体的に説明

陸曹になっているのであれば、補職や主特技でも戦力に数えられているでしょう。

その上で退職をしたいことを伝えるためには、より具体的な理由が必要です。

部隊によって差はあれど、引き留められた際にすんなりと退職するために、自分にとって次の仕事がどれだけ大事なことなのかを伝えましょう。

莫大な借金がないこと

自衛官を辞めた後に借財で生活が困窮することが予測される場合、部隊はかなり強めに退職を考え直すように引き留めるでしょう。

それは、あなた自身のことを思って言っているのも事実です。

自衛官という公務員の身分であればこそ、銀行は多額の住宅ローンなどを貸し付けます。

その莫大な借財を計画的に返していける見通しがあるのと無いのでは、退職の承認権者へのイメージも全く違います。

家族の理解が得られている

一番身近な家族の理解が無いまま、自衛隊を退職することはオススメしません。

やりたいことがあったり、今の環境から抜け出したい気持ちは分かります。

自衛隊の任務が辛ければ理解を得られるように、家族や上官に相談をしてみましょう。

相談をすることで環境が変わる可能性もゼロではありません。

その上で退職の意志が固まったのであれば、堂々と胸を張って退職への道筋を辿ることができます。

自衛官からの転職活動

依願退職を実際に経験した私が主に行った行動は2つあります。

  • 転職エージェント数社に登録
  • 求人サイトで直接求人に応募する

転職活動のために年次休暇を申請できたりと、部隊との調整次第では融通を利かせてくれる部隊もあります。

何より理解を得られるためには、転職の計画を訓練や業務と照らし合わせて都合をつけることが大事です。

ちほう

自分のことだけ、あるいは部隊のことだけをしていては転職活動は成功しません!

業務の引継ぎ

具体的な業務の引継ぎは補職や任務によって様々だと思います。

退職前の年次消化から逆算して、余裕を持って業務の引継ぎを行うことをオススメします。

新たに発生する業務は基本的に引継ぎ相手に担当をして貰い、自分はサポートに回ることを心掛けましょう。

退職日

依願退職の場合は退職日を指定することができます。

月途中での退職も可能ですが、その場合は月の俸給は日割り計算となってしまうため、切りが良いと言う意味でも月末での退職をオススメします。

「依願退職をする自衛官」が転職する時のポイント解説まとめ

自衛官から民間企業への転職は判断が難しいです。

  • 自分自身の人生で何を成し遂げたいのか
  • 今の環境が目的にしっかりとマッチしているのか

じっくりと時間をかけて考える必要があります。

履歴書や職務経歴書などどうすれば良いか分からない書類は、転職エージェントに相談することで解決できます。

依願退職をする隊員の強みは

  • 新しいキャリア、転職先を探す時間的余裕がある
  • 今後の自衛隊におけるキャリアと民間に出た時の比較が想像しやすい

どうしても何をやって良いか分からない人は転職エージェントに相談しましょう!

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